The「名言」
負けの味は、
よく知っているつもりだった。
どれほど負けようと、立ち直れる。
そう思ってきた。
それは、ほんとうには
負けていなかったのだ、
という気がする。
(三国志07 諸王の星、北方謙三)
【コメント】
立ち直れた、という経験は
たしかに大きいけれど、
自分のことを
皮肉って考えてみれば、
そもそも、自分は
「立ち直った」と言えるほどの
経験をしたんだろうか、
という気もする。
敗北感、という思い出も、
それほどの「負け」を
経験したんだろうか。
挫折感、という記憶も、
果たして、それほどの
「挫折」だったんだろうか。
裏切られた、と思っていることも、
そんなに大騒ぎするほど
「裏切られた」ことだろうか。
通り過ぎてみれば、
なんだかよく分からなくなります。
「自分の経験だけ」が
いかにも大変なことに
感じてしまうのが人間ですから、
他人と比較したところで、
正しい判断ができるとも思えません。
かといって、第3者が、
ある人と別の人の経験を比較して、
「こっちが大変だ」と判断するのも
何だか違うように思います。
その人個人のした経験、
しなかった経験が
「モノサシ」になるのは
避けられないでしょうから。
人には、白黒ハッキリさせる力など
ないってことなんでしょうかね。
(参考)
三国志07 諸王の星(北方謙三)
-2015年05月17日(日)-